遺産分割協議の作成で問題となるケース

遺産分割協議の作成で、いくつか問題となるケースがあります。
ではまず、妻が亡くなって、貯金・不動産を親族が相続する手続きをしなければならない時、子供のうちの一人が海外に住んでた場合の相談を例にとりましょう。
この場合、遺産分割協議書の作成方法が問題になります。通常は、遺産分割協議書には実印を押印して印鑑証明書を添付することで、その協議の内容が真実であることの証明にしますが、海外に在住の相続人は、日本に住所がないために実印の登録が不可能であるためです。このような場合には、領事館で領事の面前で遺産分割協議書に署名して、その旨の証明書をもらうという方法がとられます。これを、「サイン証明書」あるいは「署名証明書」といいます。
次に、父親が亡くなり、母親は痴呆症などで判断力がない場合なども問題となります。
この時に預貯金などの解約をしに行くと、銀行からは拒否されます。
解決策は、母親の代わりとなる成年後見人の選任を、家庭裁判所へ申し立てなければなりません。
そして、相続人の子供が成年後見人となる場合は、相続人同士の利害が相反するため、特別代理人を選任する申し立てがさらに必要となります。このような場合には、司法書士などへ相談して手続きをすれば良いでしょう。登記手続きの依頼を受けた司法書士が特別代理人となることは、実務上よくあることのようです。特別代理人の選任の申し立ては、親権者または利害関係人が申立人となり、子の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる必要があります。申し立てから選任まで約2週間から3週間程度かかります。

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